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2012年10月16日火曜日

外国人ジャーナリストが驚いた日本メディアの惨状

日経ビジネスのデジタル版に載っていたものの、消されてしまったという記事です。

ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏へのインタヴュー
1966年生まれ。イリノイ大学でジャーナリズム修士。ブルームバーグ、AP通信をへてニューヨーク・タイムズ東京支局。2009年2月から現職。同支局スタッフは、東日本大震災に関する報道で、ピュリッツァー賞国際報道部門の次点となった。

外国人ジャーナリストが驚いた日本メディアの惨状

大野 和基=ジャーナリスト
 ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏に話を聞いた。大メディアに対する同氏の批評は辛らつだ。「取材源との距離が近すぎ、監視役としての役目を果たしていない」「ダブルスタンダードで自国の暗い面は報道しない」と指摘する。
――日本社会は非常に排他的で、属さない人を排除する――と言われてきました。記者クラブもそういう排他的な文化の一つの面だと思います。どう思われますか。
ファクラー:日本のメディアを見ていて非常に興味深く思うのは、情報を 独占的にコントロールしようとする記者クラブがある一方で、週刊誌とかタブロイド紙が非常に元気なことです。記者クラブは日本のメディアの保守的な面を表 していると思います。週刊誌やフリーランス記者、地方紙はかなり良い仕事をしています。
――朝日新聞や日本経済新聞といった日本の大手新聞とニューヨーク・タイムズの最も大きな違いの一つは、世 界中の読者に対する影響力です。世界中の人がニューヨーク・タイムズを読みますが、日本の新聞は読みません。取材先が図る便宜も異なります。例えばあなた はトモダチ作戦の時、米軍のヘリに乗る機会を最初に与えられました。
ファクラー:最初にそういう機会が与えられたのは、もちろん、私が ニューヨーク・タイムズの記者だったからです。タイム誌の記者も同乗しました。同誌も世界的に影響力を持っています。確かにニューヨーク・タイムズという 名前は役に立ちます。米軍はアメリカの納税者に対して、こうしたお金を使うことを正当化しなければなりませんから。
――もしあなたがニューヨーク・タイムズにいなかったら、そういう機会は来なかったでしょうね。

ファクラー:そう思います。世界的に影響力を持つメディアにいるアドバ ンテージです。私はこれまでブルームバーグ、AP、ウォールストリート・ジャーナル、ファーイースタン・エコノミック・レビューで仕事をしてきました。こ の中でニューヨーク・タイムズは取材先に対する最高のアクセスを与えてくれます。
 もちろんリスクもあります。トモダチ作戦の取材の場合、米軍の代弁者にはなりたくありませんでした。ただし、取材先と距離を置くことはジャーナリストに とって危険でもあります。情報を得られなくなる可能性と背中合わせですから。これはアメリカでも日本でも同じです。常に直面するチャレンジの一つです。
 ニューヨーク・タイムズのように名声が確立したメディアは、落とし穴や誘惑に常に注意しなければなりません。つまり、情報源との関係を維持するために批判を鈍らせるとか、トーンダウンするとか、その誘惑に負けてはいけません。

日本メディアは監視役たり得ていない

――日本のメディアはウォッチドッグ(監視役)としての機能を果たしていると思いますか。
ファクラー:彼らはそういう機能を果たすべきだという理想を持っていると思いますが、情報源とこれほど近い関係になると実行するのはかなり難しいです。
 これは記者クラブだけの問題ではありません。もっと大きな問題です。日本の大メディアは、エリートが支配している階級の中に入っているということです。 東大、慶応、早稲田出身でみんなが同じバックグラウンドと価値観を持っている。みんな官僚に同情的で、彼らの側に立ってしまうのです。

3.11の時、この面をはっきり見たと思います。本当に監視役になっていたのなら、「フクシマは大丈夫だ」「メルトダウンはない」という記事は書かな かったのではないでしょうか。もっと厳しい記事が書けたと思います。それができなかったのは、彼らが政府と距離を保っていないからです。
 大メディアは、政府と対峙することなく、国民に対峙する報道をした。私はこの点を痛烈に批判しました。大メディアが報道していたことが間違いだとわかっ たのは、何カ月も経ってからです。監視役としてみるなら、日本の大メディアは落第だったと思います。でも、メディアを監視役ではなく、システムの一部とし てみるなら、起こるべくして起こったことだと言えるでしょう。
――日本経済新聞に対しても批判的ですね。
ファクラー:オリンパス事件のときによくわかりました。海外メディアでは、フィナンシャル・タイムズがスクープし、ニューヨーク・タイムズとウォールストリート・ジャーナルがそれに続きました。その間、日本経済新聞は何も報道しませんでした。沈黙です。
 その後、マイケル・ウッドフォード元CEOの記事が小さく出ました。ウッドフォード氏は日本の組織文化を理解することができなかったというような記事で した。まったくクレージーです。ビジネス・ジャーナリズムとして、3.11報道と同じくらいの大きな失敗でした。チャレンジする精神がまったくありません でした。
――3.11以降、大メディアに対して国民も不信感を持ち始めました。
ファクラー:今、我々は非常に興味深い時期にいます。読者は今まで、メ ディアの言うことをほとんど信じていました。しかし、放射性物質の問題、SPEEDIデータの隠蔽、食料安全の問題について、国民はメディアに対して不信 感を覚えたのです。国民と大メディアの間に溝が生じ始めたのです。「大メディアは国民の側に立っていない」という意識が国民の間に広がったと思います。 3.11が変化の始まりでした。これほど強い不信感をみたのは初めてです。

日本の大メディアはダブルスタンダード

――人種差別に対する日本メディアのスタンスについてうかがいます。2010年にオーバーステイで逮捕され たガーナ人男性が、飛行機で強制送還しようとしたところ暴れたので、入国管理局の職員が集団で、手錠を使って縛り上げ無理やり飛行機に乗せました。その 後、このガーナ人男性が機内で死亡した。この事件について、日本の大メディアが人種差別として報道しなかったことを指摘されています。
 また東電のOLが1997年に殺された事件がありました。犯人とされたネパール人はやっと最近釈放され、ネパールに強制送還されました。これも人種差別でしょうか?
ファクラー:どの社会も偏見を持っています。日本だけに限ったことではありません。問題はメディアです。メディアがそういう観点から報道しないのです。国民の意識を変えようとする努力がまったく見られません。こういう人種的偏見をなくすには、国民の意識を変えることが重要です。
 日本のメディアはダブルスタンダードに陥っています。人種偏見に基づく事件が、海外で起きた場合は報じるのに、自国で起きた場合は報じません。海外で起 きた出来事にも、日本国内で起きた事件にも、同じ尺度を当てはめるべきです。日本のメディアは、ひょっとしたら、みずからがダブルスタンダードであること を意識していないのかもしれません。本来は日本社会の暗い面も報道するべきですが、それを隠す傾向にあります。
 もっと自分の足で取材して、調査報道をやってほしいと思います。貧困問題も同じです。日本の貧困問題は深刻です。こういう面をきちんと報道しないのはジャーナリズムの機能不全です。
――日本のメディアについて、特に変わってほしいと思うのはどの面ですか。
ファクラー:メディアのスタンスですね。大メディアは、本当の意味で監 視役の役割を果たすべき時が来ています。日本にいる人は、もっと正確な情報を知る必要があります。今メディアがやっていることは明治時代から変わっていま せん。日本社会全体にチャレンジするような、代替メディアも生まれていません。能力はあるのに、とても残念なことです。
 3.11以降、非常に良い仕事をした日本のメディアもあると思います。「東京新聞」です。政府と距離を置いて批判的な記事を書いていました。地方新聞で は「河北新報」です。同紙は政府や東電側ではなく被災者の立場から報道しました。震災記録300日にわたるその記録は『悲から生をつむぐ』という本にまと められています。地方新聞でもネットを使えばグローバルなメディアになります。「地方」というのは関係なくなってきます。

良いジャーナリストの条件とは

――ジャーナリストの心構えについて、“a good journalist needs a sense of moral outrage”(良いジャーナリストには正義感――悪に対する人間的な怒り――が必要)と主張されています。これが最も重要な要素でしょうか。
ファクラー:個人的なレベルではそう思います。ジャーナリストは社会のためにやる仕事です。銀行家になってお金儲けするのとは違います。社会を良くしたいからする仕事です。ジャーナリストは少し理想主義者であると同時に、シニカルである必要があります。
――そして、取材対象と適切な距離を保つことですね。
ファクラー:これは本当に重要なことです。9.11のあとアメリカで は、メディアが愛国主義的になり、ブッシュ政権を批判しなくなりました。その結果、イラク戦争に関わる政策ついて十分な批判ができませんでした。イラク戦 争をとめることができず、戦争の動機についても十分疑問を呈することができませんでした。
――それでもジャーナリストは、人脈を作り続けないといけません。
ファクラー:理想的に言えば、尊敬されることが大事です。良い情報を得 るために、自分を売らなければならないのであれば、そのような情報源の存在は忘れた方がいいです。日本はジャーナリズムの倫理を少し変えた方がいいと思い ます。その方が尊敬されるようになる。長い目でみれば、フレンドリーな関係を作ることよりも、尊敬されるようになることが重要です。

2012年8月22日水曜日

プルトニウム:福島10箇所で新たに検出

(以下、青字化筆者)

毎日新聞より:

プルトニウム:福島10地点、新たに検出

毎日新聞 2012年08月21日 21時57分(最終更新 08月22日 00時03分)
 文部科学省は21日、東京電力福島第1原発100キロ圏内の62地点の土壌に含まれるプルトニウム2次 調査結果を発表した。前回の検出地点の近くを中心に調べ、福島県南相馬市原町区の旧緊急時避難準備区域2地点で初検出するなど、飯舘村、浪江町、大熊町の 計10地点から新たに事故で放出されたと見られるプルトニウム238、239、240を検出した。
 他の地点でもプルトニウムを検出したが、半減期の短い238の比率が低いため、原発事故の影響か特定できないという。
 今回は、昨年9月発表の前回調査で検出された6地点の近くを中心に調べた。原発から32.5キロの地点(前回は45キロ)が今回検出した中で最も遠かった。
 また、初調査したプルトニウム241が浪江町、双葉町の計3地点で検出された。これら3地点は前回調査で原発事故によると見られるプルトニウム238、239、240も検出していた。
検出された最大濃度は、238が土壌1平方メートル当たり11ベクレル(浪江町)、239と240の合計で同19ベクレル(南相馬市)、241が同150 ベクレル(浪江町)。同省はこれら地点の50年間の被ばく量は0.2ミリシーベルト未満で、人体などへの影響は放射性セシウムに比べてはるかに小さいとし ている。【乾達】

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上の毎日の記事では、原発事故由来かどうか判断する基準が書いてないけど、福島民友の記事には書いてあったので転載:

 福島民友より
 県内10地点で「プルトニウム238」検出 原発事故で拡散
 
文部科学省は21日、飯舘、大熊、浪江、南相馬の4市町村計10地点の土壌から、東京電力福島第1 原発事故に伴うとみられるプルトニウム238を検出したと発表した。うち南相馬市では2地点で事故に伴うとみられるプルトニウムが初めて検出された。文科 省は「事故後50年間の積算被ばく線量はセシウムに比べ少なく、健康への影響も小さい」としている。
 福島第1原発事故に伴うとみられるプルトニウムについて文科省は、プルトニウム239+240の検出値に対するプルトニウム238の検出値の比率が 0.053を超える地点の可能性が高いとした。今回の調査でこの比率を超えたのは10地点。ほかの検出地点は、過去の核実験により放出されたプルトニウム の可能性が高いという。
 10地点のうち、第1原発から最も遠いのは飯舘村で原発から約33キロ離れている。10地点のプルトニウム238の検出値は1平方メートル当たり0.44~11ベクレル。
(2012年8月22日 福島民友ニュース)


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上記の報道の元となる土壌調査の結果を文科省が出しています。それにしても、いつもながら結果発表が遅すぎる気がする文科省。もっと早くできたのでは?

文科省 平成24年8 月21 日 報道発表

文部科学省による、プルトニウム238、239+240、241 の核種分析の結果(第2 次調査)について
昨年12 月6 日から実施してきました、東京電力㈱福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の第2 次分布状況等調査のうち、プルトニウム238、239+240、241 の核種分析の結果がまとまったので、お知らせします。
続きはこちらのPDFにて。



2012年6月3日日曜日

番組:関西広域連合はなぜ再稼動容認に至ったのか

2012-6.01 大阪NEWS 嘉田知事生出演

http://dai.ly/KSdfdM

関西広域連合が大飯原発再稼動を容認せざるを得なくなった背景がよくわかります。ぜひ見てください。

番組によると、

関電が地元企業に対し、原発が動かないなら計画停電という脅しをかけた

→企業が、電力がないなら関西から出ると自治体に言う

→自治体としては企業が出て行く(=税収と雇用の激減)のを食い止めるため、泣く泣く再稼動を容認という流れだったようです。


「再稼働反対!」〜首相官邸前に市民2700人


6/1の金曜日、大飯原発の再稼動に反対する市民が2700人ほど官邸前で抗議行動を行ったのにもかかわらず、大手マスコミは全く報道してない模様。

デモの様子↓



Our planet TV
より転載:
政府が来週にも、関西電力大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の再稼働を決定しようとしていることに対し6月1日、市民ら2700人が首相官邸前で抗議行動を行った。また大阪市の関西電力本店前でも抗議行動が行われた。

官邸前の抗議行動を呼びかけたのは、反原発首都圏連合。午後6時から仕事帰りを終えた人が続々と集まり、思い思いのプラカードを持ち寄って「再稼働反対」と訴えた。

脱原発・東電株主運動の木村結さんは、「大飯原発にはベント機能がない。(PWR=加圧水型で)大きいから爆発しないと考えているとしたら甘すぎる。私たちはもう騙されない」と大飯原発の安全性が不十分であると訴えた。

大飯原発は、ベント機能がないほか、重要免震棟がないなど、シビアアクシデントの対策が不十分だとの声が強い。20年以上、反原発運動に取り組んできた市 民団体「たんぽぽ舎」の柳田真さんは、「関西連合の判断にはがっかりした。関西電力は、電力供給の問題ではなく、経営の問題、つまり儲けの問題と言ってい る。ただ、多くの人が集まっているので、抗議の声が広がることを期待したい」と語った。

福井県の福井市中央公園では、6月3日(日)13時から緊急の集会「いまなぜ再稼働?福井でつながろう」が開催される予定だ。

2012年3月13日火曜日

大手メディアの福島原発事故報道顛末

読売新聞、NHKを始めとした大手メディアで、福島原発事故による高線量の放射能について報道することがいかに困難だったかがわかります。

読売オンラインより(青字化、リンク追加筆者)

高線量報じる難しさ

当初行政の測定なし/データ本紙初掲載は5月

東日本大震災の発生後、読売新聞千葉支局は総動員で、被災現場や行政の取材に当たった。東葛地域では東京電力福島第一原子力発電所事故により、高い放射線量が観測されたが、当初は情報が不足し、どこまで書くか難しい判断に迫られた。放射線問題をどう報じたか、検証する。

昨年4月下旬、「東葛地域の放射線量が高いらしいが大丈夫か」という読者からの問い合わせが寄せられるようになった。根拠の不明確な話が多かったが、取材の結果、出所は東大のホームページだと分かった。
東大が公開していた柏キャンパスの空間放射線量(地上1メートル)は、3月21日に毎時0・80マイクロ・シーベルトに達していた。後に国が定めた除染基準の毎時0・23マイクロ・シーベルト以上(同)よりは高いが、原発事故との関係が不明確で、紙面化は見送った。
市民や研究者が測定した線量をインターネットで発信し始めると、住民に不安が広がった。本紙は県や市に取材したが、行政は東葛地域で測定しておらず、情報はなかった。
こうした中、本紙5月16日付朝刊「震災掲示板」に、「チェーンメールで放射線のデマ拡大」との記事が載った。文部科学省の指摘などを引用し、柏 市などで放射線量が高いといううわさは根拠がないとして警鐘を鳴らす内容だった。ただ、デマと決めつけられる根拠は乏しかった。
千葉支局が東葛地域の放射線量を初めて報じたのは、自治体の先頭を切って松戸市が独自に測定した結果を掲載した5月26日付朝刊「東葛版」だった。
ほかの市や県も測定を始めたが、大半は子供の屋外活動を制限する国の基準(毎時3・8マイクロ・シーベルト)を下回った。このため、7月7日付朝刊県版で報じた「放射線量 全県で基準以下」などでは、専門家の談話も交え、不安をあおりすぎないよう配慮した。
東葛地域の放射線問題を更に大きく取り上げたのは、7月、柏市などのごみ処理施設の焼却灰から高濃度の放射性物質が検出された後のことになる。

火災や液状化、津波被害は、当局の発表が足りなくても、記者が現場で見聞きした内容を原稿に反映できる。しかし、放射線は目には見えないし、臭いもしない。現場を歩いても、書ける情報はなかった。
住民らが計測した数値はあったが、測定時の環境や機器の精度によって結果は違ってくるため、無条件に掲載はできない。行政の発表を待つことにした のは、低線量被曝(ひばく)は比較的リスクが低いことを考慮した結果だが、リスクについて専門家の間でも見解が分かれる中、ニュースの価値判断が難しかっ たという面も否めない。
当局も情報を持たず、記者が現場に足を運んでも事実を確認しづらいという非常時は、またいつ訪れるか分からない。それに備え、日頃から様々な知識 の吸収に努め、臨機応変にあらゆる角度から取材を尽くせるよう、修練しておく必要性があると痛感した。
(倉茂由美子、淵上隆悠)
(おわり)
(2012年3月11日  読売新聞)

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 日刊サイゾーより(青字化筆者)
NHK『ネットワークでつくる放射能汚染地図』いま明かされる舞台裏
震災から2カ月を経た昨年5月15日、Twitterを中心に、NHKで放送されたある番組が話題となった。ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2
か月~』。元理化学研究所の岡野眞治博士や元独立行政法人労働安全衛生総合研究所の研究官・木村真三博士らの全面的な協力の下、福島県内の2,000キロ に及ぶ道路を測定したこの番組。専門家と共に調査された詳細なデータから、福島で進行する放射能汚染の現状を紹介した。この番組によって、ホットスポット として知られる浪江町赤宇木地区の現状が映し出され、政府の指定した緊急時避難準備区域である30キロ圏の外側も、必ずしも安全ではないという事実を教えた。

文化庁芸術祭賞、早稲田ジャーナリズム大賞、日本ジャーナリスト会議大賞など、数々の賞を贈られたこの番組はシリーズ化され、現在までに『海の ホットスポットを追う』『子どもたちを被ばくから守るために』などを放映。震災から1年となる2012年3月11日にはシリーズ5作目として『埋もれた初 期被ばくを追え』と題した弘前大学による事故初期の甲状腺調査や、気象シミュレーションによる各地のヨウ素131の濃度が紹介される。
そして、この番組の制作者たちの手記が集められた『ホットスポット ネットワークでつくる放射能汚染地図』(NHK ETV特集取材班・講談社刊)が刊行された。これは、原発事故の真実を追いかけたドキュメンタリーの裏側を明かす1冊である。
番組制作の中心を担ったのはディレクターの七沢潔氏。『チェルノブイリ・隠された事故報告』『放射能 食糧汚染~チェルノブイリ事故・2年目の 秋~』『原発立地はこうして進む 奥能登・土地攻防戦』など、原子力に関連した良質なテレビドキュメンタリーをつくってきた人物として知られている。しか し、東海村JOC臨海事故を取材した『東海村 臨界事故への道』を制作直後、放送文化研究所に異動。その後は番組制作の現場から遠ざかってしまった。国内 の原子力問題を追求したことが仇となり、閑職へ追いやられてしまったのだ。
だが、福島第一原発事故は七沢を必要とした。原発を特集したドキュメンタリーを企画した大森淳郎チーフディレクターは、七沢の携帯電話を鳴らす。「やっぱりあんたに来てもらいたい」。
この番組でスタッフと共に、各地の詳細な放射線量を計測した木村博士もまたリスクを背負って参加をした人物だ。厚生労働省が所轄する労働安全衛生 総合研究所研究員だった当時、「パニックを防ぐ」という名目で、同所には厳しい研究規制が敷かれていた。「行動は本省並びに研究所の指示に従うこと。勝手 な行動は慎んでください」そのメールを受け取り、彼は辞表を書いた。翌日、番組の打ち合わせに出席し、彼は七沢らと共に福島へ向かう車に乗り込んだ。
今年86歳を迎える岡野博士にとって、長距離の移動だけでも体力的には無理がある。さらに、低血糖症であるため、1時間に1度ブドウ糖を補給しな ければ身体がまったく動かなくなってしまうという症状を抱えていた。しかし、岡野博士もまた、妻の郁子さんと共に現地取材班に合流し、福島で彼オリジナル の測定器を操った。
ほかのスタッフたちにもさまざまな物語がある。放射線を浴びるかもしれないという危険だけでなく、それぞれがリスクを抱えていたのだ。
なぜ、彼らはそのようなリスクを背負ってまで福島に向かったのか。七沢は、それまでの原発取材の経験からこのように記している。「原発と、それを 押し進める巨大な体制に根こそぎにされ、人生を奪われた人々を取材するにつけ、その行き場のない怒りと悲しみを知り、解決できない現実から逃れることがで きなくなった」
放送後、苦労の甲斐あって番組は高く評価された。しかし制作当時、この番組はNHK局内から冷ややかな視線が送られていたという。局内のルールと して30キロ圏内での取材が規制されていたにもかかわらず、彼らはその規則を破った。番組内容を聞きつけた上層部は「偏向しているのではないか」と危惧 し、当初4月3日の放送を予定していた番組は5月に延期された。チーフプロデューサーの増田秀樹は「放送ができなかったら切腹では済まされない」と思いつめた。この番組の評価を考えれば、今では考えられないことばかりだ。
しかし、彼らは番組を制作し、社会に対して大きなインパクトを与えた。放送終了後、電話やメールなどで1,000件以上の再放送希望が寄せられ、NHKオンデマンドでは大河ドラマを凌ぐリクエストが集中した。
増田は、本書にこう寄せる。
「私たちは報道機関の端くれとして『事実を取材して伝える』という当たり前の仕事を、当たり前にやっただけで何も特別なことはしていない。山奥に置き忘れられていた非常用電源のようなもので、たまたま水没を免れ稼働を続けたに過ぎなかった」
この“非常用電源”が機能していなかったならば、福島第一原発と同様、メディアもまた暴走を続けてしまっていたかもしれない。『ネットワークでつくる放射能汚染地図』という番組は、日本にもまだ信頼できるメディアが存在しており、正しい情報を与えてくれるということを人々に確認させてくれた。
七沢はあとがきに記す。
「この本では通常の番組本では書かれない機微な舞台裏も描かれている。それはNHKという組織内の状況も含め、番組が制作され、放送にまで至った プロセスを描かなければ、原発事故直後、日本中が『金縛り』にあったかのような精神状況、メディア状況下で作られた番組のメイキングドキュメントにはならない。(中略)有事になると、組織に生きる人々が思考停止となり間違いを犯すことも含めて描かなければ、後世に残す3.11の記録とはならないと考えたのである
(文=萩原雄太[かもめマシーン])
●ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図5 埋もれた初期被ばくを追え』
3月11日(日)夜10時~
http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2012/0311.html


ホットスポット ネットワークでつくる放射能汚染地図
NHKの底力。

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2012年2月1日水曜日

映像:5/23小出氏、後藤氏、石橋氏、孫氏、参議院で発言

(5/24 新聞記事追加 2/1/12 リンク追加)

以下の記事にあげた中継が本になりました。














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NHKが中継しない「参議院行政監視委員会」 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査 (原発事故と行政監視システムの在り方に関する件)  

◆参院行政監視委の参考人:
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏            
芝浦工業大学非常勤講師、元東芝原子炉格納容器設計者 後藤政志氏              
神戸大学名誉教授 石橋克彦氏      
ソフトバンク株式会社代表取締役社長 孫正義氏

行政監視委員会理事会 午後零時五十分 第四十三理事会室




ustreamは
パート1http://www.ustream.tv/recorded/14906087
パート2http://www.ustream.tv/recorded/14907869

孫さんの発表用資料:http://minnade-ganbaro.jp/res/presentation/2011/0523_sangiin.pdf

この中継、全部で2時間半くらいですが、絶対に見た方がよいと思います。

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中継を見ていて、気になったポイントを挙げておきます。

・ 後藤氏:溶けた燃料が、圧力容器か格納容器かどこにあるか解らない。偶然冷えているという認識。1~3号機損傷、放射能が外に漏れている。コンクリートは閉じ込め機能を持っていないので、大なり小なり、放射能は垂れ流しになっている。タンカーなりを持って来て処理すべきとのこと。


・小出氏は今も水蒸気爆発が絶対に起こらないとは言えないという認識。

・小出氏は3/15に東京で放射線を測定し、その結果を発表している。ヨウ素、テルル、セシウム。東京の空気の1立方m当たり数百。チェルノブイリの際、日本に飛来した放射能の千倍程度の濃度。1時間で20マイクロSv相当

こちらにその資料あり→ (京大原子炉研HP、PDF13ページ目)

・石橋氏は「米のNRCはより日本の原子力安全委員会よりも人員も圧倒的に多く、強い権限持つ。1993年JCO事故、安全委員会は存在感があった。当時の委員長代理の住田さんが中性子線を防いだ。2001年1月省庁再編で牙を抜かれ、保安院(経産省)の力が強くなった」と証言していた。

このことについては毎日に関連記事あり→http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110523dde012040006000c.html

・石橋氏は地震学の観点から、浜岡の次に若狭湾の原発を心配している。

・孫氏が自分のガイガーカウンターで放射線を測定する際、ガンマ線だけにすると、国の発表している東京都の数値になるが、アルファ線、ベータ線も含めると、国のデータの倍の値になることを指摘。国はガンマ線だけを測定し、発表しているようだが、内部被ばくを考えると、アルファ線、ベータ線をを計らなくていいのか?という疑問を投げかけている。

α線、β線、γ線についての説明は放射線影響研究所のHPにあり→
http://www.rerf.or.jp/radefx/basickno/whatis.html

・孫氏は風力発電を始めるには環境アセスメントで3年かかる上に、最後の難関が原子力安全保安院であることを示唆。

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上記の参議院行政監視委員会について、中日新聞が以下のように報じていたので載せます。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011052390232348.html

エネルギー政策の転換を 参院委で識者が脱原発訴え

2011年5月23日 23時24分
石橋克彦神戸大名誉教授や孫正義ソフトバンク社長ら「脱原発」を主張する識者4人が23日、参院の行政監視委員会に参考人として出席し、国のエネルギー政策の転換などを訴えた。
委員から、津波対策後に再開を目指す中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の耐震性を問われた石橋氏は「大丈夫なんて全く言えない。浜岡は、地雷原でカーニ バルをやっているようなもの」と再開に強く反対。浜岡1号機が運転を開始した1976年から「東海地震」の可能性を指摘しており「地盤の隆起で敷地がでこ ぼこになる可能性がある。海水の取水管や防波壁が壊れて役に立たないかも」と強調した。
100億円の義援・支援金を寄付するほか、全国各地に太陽光発電所の建設を計画する孫社長は「国内の休耕田と耕作放棄地の2割に太陽光発電を設置すれば、原発50基分をまかなえる。今は農地転用の規制で不許可となるが、仮設置を認めたらどうか」と政策転換を促した。
京都大原子炉実験所の小出裕章助教は「高速増殖炉は68年に計画が持ち上がって以来、10年ごとに目標が先延ばしにされ、いまだ実現していない。永遠にたどり着けないであろう施策に、すでに1兆円を投じた責任を誰も取らない」と原子力行政の行き詰まりを指摘した。
福井県選出の委員からは「原発銀座」と言われる同県の現状への質問も。石橋氏は「若狭湾は地震の活動帯。海底活断層がたくさん見つかっており、大津波の可能性はある。非常に危険なのは間違いない」と話した。
(中日新聞)

2012年1月10日火曜日

ラジオ:4号機の使用済み燃料プール倒壊の危険性に関する小出先生の見解

1月9日 4号機倒壊の危険性と40年原則廃炉について 小出裕章(MBS)




内容文字おこし
(1)http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65784721.html
(2)http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65784723.html

 上記より転載:
小出「そこででも東京電力は苦闘しながらやったとは言っているわけですけれども、これからまだまだ余震も来るでしょうし。次に大きな余震が来たときに4号機の使用済み燃料プールが、本当に壊れないんだろうかということが私は不安なの、です」

小出「もし壊れてしまえば、その、政府が3月15日のころに、予想したように、250キロというようなところも、膨大な汚染を受けるようなことになると思います」

2011年12月5日月曜日

東京新聞:原発用語言い換え危険な印象消す?

物は言いようとは言いますが。耳障りのよい言葉に騙されないためにのリテラシー。

東京新聞 (2011年12月4日 朝刊)より
福島第一原発事故をめぐる政府や東京電力の記者会見では、しばしば珍妙な用語が飛び出す。「事故」と言えばいいのに「事象」が使われる。「老朽化」は 「高経年化」、「汚染水」は「滞留水」に。「危険性を隠したがる原子力界の潜在意識の表れだ」と指摘する原子力の専門家もいる。ヘンテコな原子力用語を検証した。
続きはこちら 

2011年9月19日月曜日

「日本安全」つぶやいて 風評対策、海外からツイッター発信者ら招待

唖然とするニュースでした。外務省はこのほか、ODAを「風評」対策に利用しようとしています。


毎日新聞より(青字化筆者)

東日本大震災:「日本安全」つぶやいて 風評対策、海外からツイッター発信者ら招待

 外務省は、東京電力福島第1原発事故による日本の農産物や観光などへの風評被害対策として、フェイスブックやツイッターなどソーシャルメディアの 発信者を海外から招く準備に入った。世界で5億人以上が利用するとされるソーシャルメディアが、中東政変などで大きな影響力を見せていることに着目した試 験事業。被災地を回った発信者に、安全性や感動を伝えてもらうことで、風評被害の緩和を狙う。
 東日本大震災からの復旧に向けた11年度第2次補正予算で、外務省は風評対策のため、15億円を計上した。外務省として初めての発信者招待は、この対策の一環。
11月ごろから、欧米や中国、中東などから、読者の多い発信者約15人を数回に分けて、福島、宮城、岩手県などに招く方向で、在外公館を通じて参加者を選ぶ。
 ソーシャルメディア関係者が、日本に好意的な書き込みをする保証はないが、外務省の担当課は「現地に足を運び、特産物を食べてもらった上での発信 だけに、風評ではない信頼性の高い内容になる可能性が高い。迅速、大量、広範囲に情報を届けることもできるはず」と期待。さらに、海外の新聞やテレビ関係 者を数十人ずつ被災地に招き、より広範囲に日本の農産物、観光情報を発信したい考えだ。
 風評対策事業ではこのほか、日本産品の安全性を伝える著名人のテレビコマーシャルを海外で流し、各国の在外公館で被災地産品の物産展や試食会の開催も計画している。【犬飼直幸】
毎日新聞 2011年9月19日 東京朝刊

2011年9月9日金曜日

日本のプルトニウム保持は核抑止になっているとする読売新聞社説(9/7)とその分析記事

9/7付の読売新聞の社説が波紋を呼んでいます。
問題の箇所は
日本は原子力の平和利用を通じて核拡散防止条約(NPT)体制の強化に努め、核兵器の材料になり得るプルトニウムの利用が認められている。こうした現状が、外交的には、潜在的な核抑止力として機能していることも事実だ。
今までも原発で作られたプルトニウムを核兵器に転用する可能性については何度も指摘されてきましたが、大新聞が「事実」と書くのはすごいことです。これは、決して一部の政治家や政治運動家の意見ではなく、ある程度、日本全体で共有されていることなのでしょうか。多くの日本人はそこまで考えて原子力を受け入れたのでしょうか。

この件について分析している記事が日経ビジネスにありました。原子力を経済性やエネルギー源といった面ではなく、パワー(力)という面から分析した興味深い記事です。

私も原子力について本当の事を言うぞ

小田嶋 隆  

まず、以下に転載した読売の社説を読んだ上で見てみてるとよいと思います。


以下、読売オンラインより

エネルギー政策 展望なき「脱原発」と決別を(9月7日付・読売社説)

◆再稼働で電力不足の解消急げ◆
電力をはじめとしたエネルギーの安定供給は、豊かな国民生活の維持に不可欠である。
ところが、福島第一原子力発電所の事故に伴い定期検査で停止した原発の運転再開にメドが立たず、電力不足が長期化している。
野田首相は、電力を「経済の血液」と位置づけ、安全が確認された原発を再稼働する方針を示している。唐突に「脱原発依存」を掲げた菅前首相とは一線を画す、現実的な対応は評価できる。
首相は将来も原発を活用し続けるかどうか、考えを明らかにしていない。この際、前首相の安易な「脱原発」に決別すべきだ。

 
 ◆節電だけでは足りない◆
東京電力と東北電力の管内で実施してきた15%の電力制限は、今週中にすべて解除される。
企業や家庭の節電努力で夏の電力危機をひとまず乗り切ったが、先行きは綱渡りだ。
全国54基の原発で動いているのは11基だ。再稼働できないと運転中の原発は年末には6基に減る。来春にはゼロになり、震災前の全発電量の3割が失われる。
そうなれば、電力不足の割合は来年夏に全国平均で9%、原発依存の高い関西電力管内では19%にも達する。今年より厳しい電力制限の実施が不可避だろう。
原発がなくなっても、節電さえすれば生活や産業に大きな影響はない、と考えるのは間違いだ。
不足分を火力発電で補うために必要な燃料費は3兆円を超え、料金に転嫁すると家庭で約2割、産業では4割近く値上がりするとの試算もある。震災と超円高に苦しむ産業界には大打撃となろう。
菅政権が再稼働の条件に導入したストレステスト(耐性検査)を着実に実施し、原発の運転再開を実現することが欠かせない。
電力各社が行ったテスト結果を評価する原子力安全・保安院と、それを確認する原子力安全委員会の責任は重い。
運転再開への最大の難関は、地元自治体の理解を得ることだ。原発の安全について国が責任を持ち、首相自ら説得にあたるなど、誠意ある対応が求められる。
野田首相は就任記者会見で、原発新設を「現実的に困難」とし、寿命がきた原子炉は廃炉にすると述べた。これについて鉢呂経済産業相は、報道各社のインタビューで、将来は基本的に「原発ゼロ」になるとの見通しを示した。
 ◆「新設断念」は早過ぎる◆
代替電源を確保する展望があるわけではないのに、原発新設の可能性を全否定するかのような見解を示すのは早すぎる。
首相は脱原発を示唆する一方、新興国などに原発の輸出を続け、原子力技術を蓄積する必要性を強調している。だが、原発の建設をやめた国から、原発を輸入する国があるとは思えない。
政府は現行の「エネルギー基本計画」を見直し、将来の原発依存度を引き下げる方向だ。首相は、原発が減る分の電力を、太陽光など自然エネルギーと節電でまかなう考えを示している。
国内自給できる自然エネルギーの拡大は望ましいが、水力を除けば全発電量の1%に過ぎない。現状では発電コストも高い。過大に期待するのは禁物である。
原子力と火力を含むエネルギーのベストな組み合わせについて、現状を踏まえた論議が重要だ。
日本が脱原発に向かうとすれば、原子力技術の衰退は避けられない。蓄積した高い技術と原発事故の教訓を、より安全な原子炉の開発などに活用していくことこそ、日本の責務と言えよう。
 ◆原子力技術の衰退防げ◆
高性能で安全な原発を今後も新設していく、という選択肢を排除すべきではない。
中国やインドなど新興国は原発の大幅な増設を計画している。日本が原発を輸出し、安全操業の技術も供与することは、原発事故のリスク低減に役立つはずだ。
日本は原子力の平和利用を通じて核拡散防止条約(NPT)体制の強化に努め、核兵器の材料になり得るプルトニウムの利用が認められている。こうした現状が、外交的には、潜在的な核抑止力として機能していることも事実だ。
首相は感情的な「脱原発」ムードに流されず、原子力をめぐる世界情勢を冷静に分析して、エネルギー政策を推進すべきだ。
(2011年9月7日01時19分  読売新聞)

2011年9月6日火曜日

公開された資料で判明 報じられなかった プルトニウム 「大量放出」の事実

最近、セシウムの放出量について話題になっていましたが、なんとプルトニウムも大量に放出していたのですね。。。しかも、保安院は6月にデータを出していたけど、メルトダウン発表のどさくさに紛れ、マスコミで取り上げられなかったということです。


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/18245
より引用:

プルトニウムはセシウムや放射性ヨウ素と比較すると重く、東京電力が3月28日に、原発敷地内でごく微量を検出したと発表した以外、実際にどれくらいのプ ルトニウムが放出されたのかも明らかになっていなかった。ところが、リストに記載された試算値では、プルトニウム239だけで合計32億ベクレルが大気中 に放出されたというのである。

全文はこちら↓
『週刊現代』2011年9月10日号

公開された資料で判明報じられなかったプルトニウム「大量放出」の事実 

2011年8月26日金曜日

元原発メーカー社員ら36人が保安院に再就職

東京新聞より(青字化筆者)

東芝・日立など OBが“自社”原発検査 10年で36人 保安院に再就職

2011年8月26日 06時59分
 原発メーカーなどの社員が経済産業省原子力安全・保安院に再就職し、出身企業の製品が納入された原発などの検査を担当したケースが過去十年で少な くとも三十六人に上ることが、経産省が国会関係者に提出した資料で分かった。保安院は「検査の中立性や公平性に影響はない」と説明しているが、専門家は 「なれ合いになる恐れがある」と指摘している。
 保安院業務管理官室によると、透明性・公平性が疑われるとして、電力会社出身の検査官にはその電力会社の原発を担当させないのが慣例。しかし、電力会社の関連会社や原発メーカーの出身者は慣例の対象外だった。
資料によると、二〇〇一~一一年、三十六人が「原子力保安検査官」として、出身会社やグループ企業が関与した原発の担当となった。経産省は検査官の全経歴を明らかにしておらず、出身企業が関与した原発を担当した人数はもっと多い可能性がある。
中には、出身企業の納入先原発を渡り歩いたケースが七件あった。〇一年に採用された東芝出身の検査官は、同社が格納容器などを納品した敦賀原発を担当後、 同じく納入先の浜岡原発を担当。日立グループのバブコック日立出身で〇三年採用の検査官も、日立が関与した敦賀原発、島根原発を担当した。
また、MOX燃料を製造する原子燃料工業(原燃工)が〇八年三月末に高浜原発への燃料調達契約を関西電力と交わした翌日、原燃工の出身者が同原発担当の検査官として採用されるなど、納入が採用のきっかけになったと受け取れるケースもあった。
保安院が発足した〇一年当時、検査官の前身の運転管理専門官は五十人しかおらず、全国二十一カ所の検査官事務所に配置するには人手不足だった。このため、即戦力として原発メーカーや電力会社の社員を中途採用してきた経緯がある。
中途採用者は〇一年からの十年間で八十三人。主な出身別では、東芝グループが二十七人、日立グループが七人、三菱電機グループ、IHI、関西電力が各六人、東京電力グループが三人。現在も保安検査官約百二十人の六割を中途採用が占める。
業務管理官室の担当者は「中途採用者は原子力の専門家で実効性ある規制に必要。(納入先への配置は)現場の設備に詳しいということも理由の一つ」と説明している。
(東京新聞)

2011年8月12日金曜日

北海道の泊3号機、営業運転再開問題

最近、北海道の泊原発3号機が注目されています。

泊原発3号機は、今年の1月に定期点検に入った原子炉で、福島第一原子力発電所の事故直前の3月7日から、定期点検の最終行程にあたる調整運転を続けていました。
今、3号機の営業運転を再開するかどうかが焦点になっています。

泊原発3号機に関する報道をいくつか紹介します。


YOMIURI ONLINEより(青字化筆者)

泊3号機、営業運転先送りへ

経産相「道の判断待つ」

 海江田経済産業相は10日、定期検査で調整運転中の北海道電力泊原子力発電所3号機(泊村、91・2万キロ・ワット)の営業運転への移行につい て、数日間先送りする方針を固めた。9日の段階では最速で11日中にも移行する見通しだったが、北海道からの「地元軽視」との強い反発を受け、地元の意向 に配慮する方針に改めた。
 海江田経産相は10日夜、北海道の高橋はるみ知事に電話をかけ、「道の判断は大切なので待ちたい。数日くらいのうちに結論をいただければ」と伝えた。高橋知事は「大臣の申し入れを踏まえて、道としての考え方をできる限り早く集約する」と答えた。
一方、経産省原子力安全・保安院は10日午後6時、泊3号機で実施していた営業運転に移行するための最終検査(総合負荷性能検査)を終了した。保 安院は結果を11日に原子力安全委員会に報告する。その場で了承されても、定期検査の終了証は道の判断を待って、交付する方針だ。
最終検査は9日から2日間行われ、プラント内の熱水の温度が適切に管理されているかどうかなど、約260項目を点検した。
北電が道の判断を待たずに、保安院の指導で最終検査の受検に踏み切ったことに高橋知事は反発している。この点について、保安院の寺坂信昭院長は 10日の記者会見で、「検査は受けなければならない話。検査の申請そのものは北電からなされた」と述べ、申請があくまで北電の判断で行われたことを強調し た。
(2011年8月11日  読売新聞)

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上記の読売の記事で保安院が泊3号機の最終検査の報告を原子力安全委員会にするとありますが、保安院から技術上問題ないと報告を受けた原子力安全委員会は11日、事実上、営業運転を認めてしまいました。ストレステストはどうしたのでしょう?

Our plantet TVより(青字化筆者)
今回の営業運転再開は、経済産業省の意向を受けたもので、8月8日、北海道電力が保安院に対して申請を行い、8月9日と10日の2日間、経済産業省原子力安全・保安院による総合負荷性能検査が行われた。

11日の安全委員会では、保安院から「技術上の問題はない」とする報告を受けた後、10分程度の質疑が行われただけで、事実上、営業運転を承認。班目委員 長が、「定期点検については、規制機関である保安院が行うもの」として、安全委員会として独自の見解は示さなかったことから、会場は騒然。傍聴していた市 民らからは「安全委員会には二重のチェックを行わないのか」「きちんと審議して、独自の見解を示すべき」といった怒号が飛び、班目委員長は途中退席。予定 していた審議を残したまま終了した。泊原発3号機は、他の原子炉の運転再開の要件となっているストレステストは行われていない。

福島老朽原発を考える会や美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会など3団体は、原子力安全に委員会の姿勢に対し、「原子力安全委員会の二重チェックは嘘だった」として泊原発の本格稼働再開は許されないとの声明を発表した。

この日の安全委員会の様子を撮影した映像はこちらです↓
 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1195

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泊3号機の営業運転再開について問題があると思う方は、こちらを見てください。

【アクション】北海道・泊原発3号機の営業運転再開を認めないよう緊急に要請を!

http://e-shift.org/?p=1007

2011年8月11日木曜日

毎日:経済界は「被害者」なのか 成長至上主義を捨て、原発離れを

毎日jpより(青字化筆者)

東奔政走


経済界は「被害者」なのか 成長至上主義を捨て、原発離れを

 ◇山田孝男(やまだ・たかお=毎日新聞政治部専門編集委員)

どうにも飲み込めない。米倉昌弘・日本経団連会長(74)の一連の発言だ。原発震災という歴史的大事件に直面しながら、本質を見据えた発信がない。「脱原発」志向の世論を低く見て「経済成長をどうしてくれる」としか言わない。
立場上、そんなものだと言われても承服しかねる。昭和の経団連には石坂泰三や土光敏夫がいた。日経連には桜田武や鈴木永二がいた。彼らなら、国家危急存亡の大事に臨み、迷惑顔で企業連合の利益代弁者に終始し、財界リーダーの威信を砕くことはなかっただろう。

 ◇西川善文氏が言う「脱原発しかない」

米倉は首相批判を繰り返している。批判して悪いとは言わないが、経済界が、政府がしでかした迷惑行為の被害者であるかのように言いつのる感覚がわからない。原発震災とそれに続く政治・経済・社会の大混乱のなかで、日本経団連傘下の企業は被害者なのか。
朝日新聞を引く。「政府を論難する前に財界トップがまず述べるべきは、東電という有力会員が起こした重大事故への反省と被害者へのおわびではないのか。それが経済道義というものだ」(7月21日付朝刊「社説余滴」=駒野剛記者)。どう見てもこの断定に分がある。
もっとも、米倉だけの問題とは言えない。報道によれば、7月、軽井沢で開かれた日本経団連の夏期フォーラムで、日立製作所会長は「菅首相が何を言おうと、原子力の海外展開を進めたい」と語ったという(日本経済新聞7月23日付朝刊)
東芝の社長が、日米共同でモンゴルに核燃料最終処分場を建設する計画に入れ込み、米政府高官に協力を求めていたという報道(東京新聞7月2日付朝刊)もあった。
これらの逸話から、第2次大戦末期の、日本政府部内の終戦派と決戦派の確執を連想した。鈴木貫太郎首相は終戦を探ったものの、決戦派はクーデター を構えて抵抗。政府の意思決定は遅れに遅れた。そうこうするうちに広島・長崎に原爆が落ちる。それでも決まらず、天皇に聖断を仰ぎ、ようやく幕が下りた。
原発依存の経済成長は、もはや無理筋である。「途上国に押しつけるのはよかろう」と高をくくれば非道である。内外ともに天変地異が多発している。 海も、山も、大地も、川も荒れ狂う時代だ。稼働中か停止中かを問わず、核燃料(使用済みを含む)を蓄えた全国の原発は、周辺住民だけでなく全国民の差し 迫った脅威である。66年前と同様、再び惨禍に見舞われなければ原発震災の本質に目を開けないのか。
希望が見えぬなかで、「脱原発しかない」と言い切る財界人がいると知り、会ってみた。三井住友銀行の西川善文元頭取(72、現・同行名誉顧問、前日本郵政社長)だ。
名だたる辣腕バンカーであり、先年まで金融業界の頂点にいた。しかも、三井住友銀行は東京電力のメーンバンクである。その西川が、日経新聞電子版(5月26日付)のブログに「脱原発へ向かうしかない」と書いて波紋が広がった。
西川はこう書いた。
 「私は一定の時間軸をおいて対策に取り組めば、脱原発は十分可能だと思う。国民生活の安心、安全が第一義であるから、(中略)脱原発に向けてエネルギー政策の舵を大きく切っていくしかない」
7月下旬、丸の内の三井住友銀行本店に西川を訪ねた。
「毎週書かなきゃいけないんで、けっこう大変なんですよ。(木曜掲載なので)日曜くらいになると、何を書こうかな、ってね」
開口一番、西川は苦笑を交え、ブログ執筆の苦心を語った。原発震災が話題の時期だったので感想を書いたら、非常にラジカルな発信と受け取られて当惑している--。そういう心境を明かした。
とはいえ、ブログに書いた考えは変わらない、40年先の脱原発では遅過ぎる、せいぜい15年から20年ではないか、電力は使い過ぎている面があ り、無駄な電力消費を減らした方が国はよくなると思う……。西川は質問に率直に答えた。「15年から20年」の評価はともかく、脱原発の問題意識は明確で あり、暗夜に光を見る思いがした。
日本は電力供給の3割を原子力に依存している。これを2030年までに5割へ引き上げるというのが、政府の長期計画(エネルギー基本計画=昨年9月閣議決定)のポイントだ。政府はむろん、抜本的な見直しにとりかかっている。

 ◇安全な社会 健全な経済へ

一方、現在あるすべての原子炉を耐用年数の40年で廃炉にし、新たな原子炉はつくらないとすれば、日本の原発は2050年前後にはゼロになる。40年後の脱原発というイメージはここからくるが、急迫の危険に対して消極的過ぎる。
それやこれやで、いま、大政党は基礎的な議論を続けている。原発離れの具体的なスケジュールを決めるのに時間がかかりそうだ。それに対して、共産 党と社民党は既に目標年次を打ち出している。共産党が「5年から10年以内の撤退」で、社民党は「2020年(9年後)末までに原発ゼロ」である。
共、社両党は、もともと反原発だ。だから目標もあっさり決まったかというと、そういうものではないらしい。共産党の志位和夫委員長(57)に聞い てみると、6月に提言(「原発からのすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入を」)をまとめるにあたり、党内で激論がかわされたという。「段階的」な 撤退か、「すみやかな」撤退か--。キーワードは「すみやかな」に決まった。
社民党の「2020年」という目標は、5月に発表した「脱原発アクションプログラム」に盛り込まれている。プログラムは、今夏も、来夏も電力不足 は乗り切れるという見通しと論証に力を注いだ。福島みずほ党首(55)によれば、目標年はすんなり決まった。ドイツの、みどりの党と同じ期限である。
政府は、具体的な目標は示せないまでも、首相が「脱原発」を宣言した。すると、国家戦略担当相が「減原発」だと修正し、自民党は「縮原発」だと言っている。
「脱」でも「減」でも「縮」でもいい。求むべくもない経済成長を追い求め、原発離れをサボるのでなければ。できる限り早く原発から離れ、安全な社会・健全な経済へ立て直さなければならない。(敬称略)
2011年8月8日

動画:ニュースにだまされるな8/6「放射能汚染 なぜ拡大したのか」児玉教授など

朝日ニューススター「ニュースにだまされるな」の動画がyoutubeにありました。

この回は、国会に参考人として呼ばれ、多くの人の心を打った児玉龍彦氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)やチェリノブイリ子ども基金に属する小児科医の黒部信一氏、3月末に福島原発事故の深刻さを訴える緊急提言を出した元日本原子力学会長の田中俊一氏などが出演しています。それぞれの専門や経験から意見を述べていて、とても参考になります。

もし、見逃していたら、ぜひ見てください。

朝日ニューススターHPより

8/6(土) 夜10:00~11:55ほか 放射能汚染 なぜ拡大したのか

福島第一原発事故から5ヶ月・・・
放射能汚染はなぜ広がったのか。
国や東電の隠蔽が拡大につながった可能性はないのか。
わたしたちはこれから被曝にどのように対応すればいいのか。
補償をどのように考えるべきか。
福島で除染に取り組む研究者らと考えます!

ゲスト 田中俊一(元日本原子力学会長)
児玉龍彦(東京大学先端科学技術研究センター教授)
黒部信一(小児科医)
菅井益郎(國學院大學教授)













2011年8月10日水曜日

動画で見る炉心溶融

(8/10 情報追加)


「独立行政法人・原子力安全基盤機構が事故前に、原子力防災専門官向け資料として作成していた、炉心溶融のシミュレーション画像」ということです。




京大の小出さん、元東芝技術者の後藤さんなどが事故直後から言及していた炉心溶融の可能性はこの映像の作成者も共有していたということ、それだけはわかります。


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テレ朝が以下の報道を行いました(青字化筆者)



原子炉の「メルトダウン」と「メルトスルー」を映像化したビデオを保安院をサポートする独立行政法人が2年以上前に作りました。しかし、現場の職員の目に触れないまま、福島第一原発の事故が起きました。

原子炉が冷却に失敗した場合、30分後には炉心が溶けます。1時間後には、燃料は圧力容器の底に到達。3時間後には圧力容器をも貫通して落下し、下のコンクリートを溶かして下に侵食していきます。一方、発生した放射性物質を含むガスは外部に放出されていきます。
社会技術システム安全研究所・田辺文也所長:「圧力容器壁の穴が開いたことも含めて、基本的に(福島第一は)これと違わない」
 ビデオは国の防災担当者の教育用に作成され、実際に電力会社の職員が目にすることはなかったということです。

制作:原子力安全基盤機構

2011年8月6日土曜日

動画:児玉龍彦(東大先端研教授)×津田大介(ジャーナリスト)

(8/8 リンク追加)

現代ビジネスが8/5 児玉龍彦(東大先端研教授)×津田大介(ジャーナリスト)との対談(1時間程度)を収録しました。ここで見られます→ http://www.ustream.tv/recorded/16442790

書き起こしをしてくれた人がいます→http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/2957329.html



児玉教授の発言で重要と思ったポイントを私なりにまとめました。

○今回のような非常事態には、従来の法律よりも上位の法律が早急に必要。

○福島原発事故関連の問題解決のノウハウは民間にあるが今はうまく活用できていない。国が先導して、いろんな企業が参加して、うまくみんなが参加できるようなプラットホームを作って、ノウハウのある企業をどんどん使っていくべき。

○問題を解決していくようなビジョンを持つ人、ソリューション技術のある人が必要。今までのものをいろいろ組み立ててビジョンを持って、住民のために働いていくような夢を力を持った人たちが必要。例:スティーブ・ジョブズのi-phone

○Google earth、Google street viewのようなもので放射能実測マップを詳細に作って、誰もが自分の地域の放射線がわかる、市役所ごとにすぐやる課があって、自治体ごとの放射線測定110番があって、 「うちはどの程度の線量で大丈夫でしょうか」と問い合わせができて、数値が高ければすぐに除染も手配できる体制が必要。

○除染は気をつけてやる。吸い込むと内部被ばくしてしまう。マスク、手袋、長靴、飲食禁止、水分補給、線量計といったルールにしたがって、内部被曝を受けないようにしてやる。

内部被ばくのルール「まてないみせ」
http://gendai.ismedia.jp/mwimgs/a/4/-/img_a465a3c4869ea6b7cae870dae13254c0108021.jpg

○今必要なのは、予測とシミュレーション。疫学や統計は全てが終わった後にしか結果が出ないので今すぐに役立つものではない。

○10万人の人が家を離れて彷徨っているかもしれないときに、議論のための議論より、皆で自分のできることを是非やるべき。まず、一番大変な人々のために自分のできることをやってほしい。
自分の得意なことで貢献するのがよい。法律の人は法律でやってほしいし、イメージングの人はイメージングのことをやってほしいし、子供と遊ぶのが好きな人は子供と遊ぶことを考えてほしい とか。詩の作れる人は詩でやってほしいし、歌のうまい人は歌でやってほしいし。自分が世の中に何の役に立つかとい うことを考えてほしい。自分が最も役に立つことをやってくれれば、直接原発じゃなくてもきっと、原発事故の人の助けにもなるし、震災で今もっと津波で悩んでる宮城とか岩手の人たちの助けにもなるんじゃないかと。

2011年8月1日月曜日

原発への攻撃、極秘に被害予測 1984年に外務省

朝日新聞のスクープのようです。「反原発を恐れて公表しなかった」とありますが、そういう資料が一体どれくらいあるのでしょう。。。

原発への攻撃、極秘に被害予測 1984年に外務省

 外務省が1984年、日本国内の原発が攻撃を受けた場合の被害予測を極秘に研究していたことがわかった。原子炉や格納容器が破壊された場合に加え、東京 電力福島第一原発の事故と同じ全電源喪失も想定。大量の放射性物質が流出して最大1万8千人が急性死亡するという報告書を作成したが、反原発運動の拡大を 恐れて公表しなかった。
欧米諸国は原発テロを想定した研究や訓練を実施しているが、日本政府による原発攻撃シナリオの研究が判明したのは初めて。
81年にイスラエルがイラクの研究用原子炉施設を爆撃した事件を受け、外務省が財団法人日本国際問題研究所(当時の理事長・中川融元国連大使)に想定される原発への攻撃や被害予測の研究を委託。84年2月にまとめたB5判63ページの報告書を朝日新聞が入手した。

2011年7月28日木曜日

東電賠償案の問題

東京新聞社説より(青字化筆者)

東電賠償案 株主責任はどうする

 東京電力福島第一原発事故の賠償法案について与野党が修正案で合意した。修正案は株主や金融機関の責任を問わないばかりか、税金投入まで盛り込んだ。これでは国民負担が一層、重くなる。
 放射性セシウムで汚染された稲わらを食べた肉牛が各地で出荷停止になっているように、原発事故の被害は拡大する一方だ。巨額の賠償負担を考えれば、東電が事実上、すでに債務超過なのはあきらかである。
 株式会社の原則に照らせば、破綻状態にある東電の処理は経営者と社員、次いで株主、金融機関が負担を分担しなければならない。ところが法案は当初から株式を100%減資せず、銀行の債権放棄も求めていなかった。
 政府・民主党と自民党、公明党の協議でまとまった修正案をみると、問題の核心部分だった株主責任と銀行の貸し手責任は結局、事実上不問に付されている。
 わずかに「機構は…原子力事業者による関係者に対する協力の要請が適切かつ十分なものかどうか確認しなければならない」との条文が追加されたが、これでは形だけだ。実質的な意味はない。
 その結果、本来なら五兆円前後に上るとみられた株主や銀行の負担が、最終的には電気料金引き上げの形で国民の肩にのしかかる話になってしまった。
 それだけではない。
 新設する賠償機構に国が交付国債を発行して東電が必要に応じて現金化し、後で長期返済する仕組みだったが、修正案は加えて「機構に国が資金を交付できる」と改めた。つまり税金である。
 これで東電は今後、どんなに資金難に陥ったとしても、交付国債の現金化だけでなく税金の直接投入で生き延びることが可能になった。絶対安心の生命維持装置を確保したも同然だ。
 自民党内には「今回の措置は一時的なもので、将来は東電を破綻処理できる二段階方式」と評価する声もある。法律の施行状況を後で検討する付則が盛り込まれたためだが、こちらも形だけにすぎない。
 こんな法案になったのは、既得権益を守りたい霞が関と東電、関係金融機関が菅直人政権の足元を見透かしていたためだ。市場経済の根幹を踏みにじるような妥協でお茶を濁した自民党と公明党の責任も重い。
 東電の地域独占を許したままでは発電会社の新規参入も進まず、再生可能エネルギー促進という菅政権のかけ声がむなしく響く。

2011年7月23日土曜日

エネ庁が「不適切」「不正確」な原発情報を監視

(7/28 東京弁護士会の声明を追加、8/1 日本弁護士連合会の声明、AFP通信の報道記事を追加)

東京新聞より(青字化筆者)

エネ庁が原発記事監視 4年で1億3000万円

2011年7月23日 07時06分
経済産業省資源エネルギー庁が原発に関するメディア情報を監視してきたことが、本紙の調べで分かった。本年度発注分を含めると、外部委託費の総額は四年間に約一億三千万円に上る。昨年度までは、いずれも電力会社役員らが理事を務める財団法人が受注していた。
同庁の資料などによると、昨年度までの三年間は「電源立地推進調整等事業(即応型情報提供事業)」として、新聞や雑誌の記事を監視する事業を年約一千万~約二千四百万円で外部委託していた。
委託先は、東京電力の勝俣恒久会長が非常勤の理事を務める「日本科学技術振興財団」や、経産省原子力安全・保安院のOBや元原子力安全委員会委員長らが役員になっている「エネルギー総合工学研究所」といった財団法人ばかりだった。
事業は、一部に同庁ホームページ(HP)にあるQ&Aコーナーの更新が含まれているが、主には「不正確または不適切な報道を行ったメディアに訂正情報を送る」こと。ただ同庁によると、メディアに訂正を求めたことは一度もない。
Q&Aのページは現在、福島第一原発の事故を受けて「苦情が多く寄せられたため」(担当者)閉鎖されている。
本年度は震災に伴う第一次補正予算に「ネット上の不正確情報の監視」として八千三百万円を計上。
十五日には委託先を決める入札が行われ、広告代理店が落札した。
福島第一原発の事故で原発への不安が大きくなり、ネット上で情報が乱れ飛んだことを受け、従来の新聞記事の監視を縮小し、一般市民がツイッターやブログなどを通じて発信する情報の監視に重点を置く。
監視により「不正確または不適切な情報」が見つかった場合は、原子力の専門家などのアドバイスをもとに、同庁HPに、その情報を打ち消すような内容を掲載するとしている。
資源エネルギー庁原子力立地・核燃料サイクル産業課の話 原子力について正確に報道されていない場合もある。報道内容を把握し、適切な広報のあり方を検討するため続けている。
(東京新聞)

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東京弁護士会がこの件に関し、声明を出しています(全文はリンク元でご確認ください)。

引用します。

私たち 市民は知る権利を享有しており、情報流通の多様性の確保は民主主義社会の生命線である。政府の上記事業は、誤った運用がなされれば、「風評被害の防止」の 名の下に政府にとって都合のよい情報にのみ私たち市民の目を向けさせることとなり、それによって有用な情報が圧殺される虞がある。
かかる事態を招かないために、当会は、上記事業の適正を期するべく、その運用につき極めて慎重な態度で臨むよう政府に求めると共に、上記事業に対する政府の動きを厳格に注視していく所存である。

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日弁連が「原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報に対する常時モニタリングに関する会長声明」を出しました。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2011/110729_4.html

上記より一部引用します。(太字化は筆者)

政府が行うべきは、正確な根拠を引用した具体的網羅的な情報の開示であり、自らが十分な情報を開示しないでおきながら、市民の間における情報流通の制限につながる試みを行うことは、情報統制である。その上、前述のとおりの情報操作の動きがあることも併せ考えれば、問題の深刻さを示している。

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また、この件は海外メディアにも問題にされた模様で、エネ庁の報道官の「情報統制はしない」という釈明をAFP通信が報道していました。(太字化は筆者)

Gov't denies online, Twitter censorship over nuclear crisis


TOKYO —
The Japanese government on Friday denied that a government project to monitor online news reports and Twitter posts about the Fukushima nuclear crisis was an attempt to censor negative information and views.
Some Western online reports have charged that Japan had passed a law with the intent of “cleansing” the Internet of negative reports and commentary about the accident at the tsunami-hit Fukushima Daiichi atomic plant.
Chikako Ogami, a spokeswoman at the energy agency of the Ministry of Economy, Trade and Industry (METI), told AFP: “Our government will never censor information at all. These are erroneous news reports.”
Ogami said the agency had set aside funds in the nation’s disaster reconstruction budget for a project to monitor “inaccurate” online information that may lead to harmful rumors against residents of Fukushima.
“But we will never ask Internet providers or web masters to delete such information or pin down the senders,” Ogami said. “We will simply explain our thoughts on our own website and our own Twitter account.”
The controversy was triggered when METI’s Agency for Natural Resources and Energy earlier this month opened a call for bids for its so-called Nuclear Power Safety Regulation Publicity Project.
The bid said the agency needed a contractor “to monitor blogs on nuclear power and radiation issues as well as Twitter accounts around the clock.”
The contractor would be asked to “conduct research and analysis on incorrect and inappropriate information that would lead to false rumors and to report such Internet accounts to the agency,” it said.
The contractor would then “publish correct information in question-and-answer format on the agency’s website and Twitter account, after consulting with experts and engineers if necessary,” said the call for tenders.
Asatsu DK, a major Japanese advertising company, won the contract for 70 million yen which expires at the end of March 2012.
The Fukushima Daiichi plant was hit by nuclear meltdowns and explosions after it was damaged by a powerful quake and tsunami on March 11, and it has since continued to release radiation into the air, soil and sea.
The disaster has forced the evacuation of tens of thousands of people and led to bans on farm produce, including some vegetables, mushrooms, dairy products and most recently beef after cattle ate contaminated straw.
The crisis has hit the local farm and fisheries sectors hard.
Many residents in Fukushima prefecture have reported facing painful discrimination and harmful rumors, such as claims that they spread radioactivity when they travel outside their home region.
© 2011 AFP