2011年5月28日土曜日

内部被ばくに対して気をつけること2

内部被ばくについて2つ紹介します。
1.5/27に行われたインディペンデントジャーナリスト、岩上安身氏による矢ケ崎克馬琉球大名誉教授のインタヴューは2時間近くと長いですが、必見です。かなり衝撃的です。
矢ケ崎教授は5/20の学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件(放射線の健康影響について) で衆議院国会審議の参考人と招致されている物性物理学の専門家です。
また、原爆症認定集団訴訟(2003~04年)で内部被ばくを証言したという経歴の持ち主です。
インタヴューの映像はこちら→http://www.ustream.tv/recorded/14985357
 
概要:インタヴューの一部書き起こしを見てくださいhttp://togetter.com/li/140870
前半のハイライト:内部被ばくがアメリカによって構造的に隠されてきて、被爆国日本はそれに追随してきたという話、日本政府が放射線許容量暫定基準値を設定するに当たって参照したICRP(国際放射線防護委員会)の妥当性への疑念など戦後の歴史を踏まえた話が非常に興味深いです。 
これについては、以前の講演をまとめたサイトがありました。インタビューの内容とほぼ同一だと思います。
核戦争に反対する北海道医師・歯科医師の会
第19回総会記念講演(2007年7月1日,北農健保会館)
「内部被曝──原爆・劣化ウラン兵器と人類への宿題(要旨)」
 
後半のハイライト(1時間16分辺りから) :矢ケ崎教授が「今、国、原発に近い自治体、住民が行うべきこととして提言。どうしても時間がなくて見られない人のために以下にまとめました。
・速やかに除染を行う
・高性能のマスク(普通のでもしないよりはまし)をし、内側に水を含ませると効果が上がる。
・ イオン交換、活性炭、ろ過(ち密な重層フィルターを組み合わせる)を組み合わせ、水の汚染をできるだけ取り除く。
・ 政府がきれいな水を調達すべき。個人負担だと出来る人、出来ない人が出てくる。
・福島の野菜は政府が全部買い取り、処分する。
・作物の作付けの判断は個人まかせにしてはいけない。風評被害ではなく、実害があるので人々が買ってくれないということがあり、偽装が起こる危険性がある。結局、被害を受けるのは農家。
・汚染表土を全部入れ替える。そうしないと30年、50年汚染された作物を作ることになってしまう。汚染土砂は、山に穴を掘って埋める。チェリノブイリでは今も土壌汚染のレベルが変わっていない。
動物だけでなく海藻類等について。東日本の海岸は汚染覚悟。西日本もやがて汚染進み、世界中へ。政府が海産物を全部買い取り生活保障するしかない。海産物は他国から買ってでもやらないと日本国の被曝は防げない。
・漁師の人に保障をして、食べるための魚ではなく、放射能が濃縮した魚を陸に揚げて、早く汚染を取り除くということも考える必要があるかもしれない。国が主導してやるべきこと。
・尿など、内部被ばくした証拠による測定値を全身の被ばく量と解釈してはならない。尿にはほんの一部しか出ない。ホールボディカウンターはガンマ線しか測定できない。
・内部被ばくの裁判をする場合、個人的に証拠持つ事と地域的な汚染の証拠を持つことが大事(その人個人によらない証拠が必要)空中線量だけでなく、土地の線量も記録しておく必要がある。裁判の証拠になりうる。 
・一番大事なことは社会としての健康管理と犠牲者(健康被害・死亡)の保障制度を行うこと。原爆認定でも個人より集団で訴訟を起こすと、よい判決が出やすい。
・ どこに行って何をしたか、体調変化の記録を個人的に取っておく。ノートにどんどん書き込むだけでも。自治体レベルで健康手帳を作るべき。医療現場に当たる方に知恵をもらう必要がある。

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2.矢ケ崎克馬琉球大名誉教授のように、内部被ばくの証拠として、福島原発周辺の住民に毛髪の保存を勧める動きがあるので紹介します。

将来、内部被曝による晩発性障害か
否か判定するために毛髪等の試料保存を

2011.05.28(Sat)  山野辺 滋晴 

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