2011年4月5日火曜日

ドイツ気象庁の放射性物質拡散予想図の見方

ドイツ気象庁による放射性物質シミュレーションの説明を和訳してくれているサイトがあったので紹介します。

シミュレーションを見る上で理解しておくべき重要なポイントは

この図はあくまでも気候条件のみによる予想であり、空気中の有害物質の実際の密度は反映されておらず、放射能濃度測定値による危険度評価とも関係ありません。同一視しないように。


ということです。

以下、http://www.witheyesclosed.net/post/4169481471/dwd0329より転載


ドイツ気象庁(DWD)による粒子分布シミュレーションの日本語訳



上の図は「福島から放出される放射性粒子の相対的な分布図」と題されており、下部の小文字部分には「要注意:放出源の濃度が明らかでないため、この予想図には空気中にある放射性粒子の実際の密度が反映されているとは限りません。発電所からの仮想上の放射が天候条件によってどのように分布し希釈化されていくのかのみが表現されています。」との注意書きがあります。
赤色の濃淡で粒子の濃度を表しており、上から順に
赤:濃度は僅かに希釈されている
黄:濃度はかなり希釈されている
白:濃度は極めて希釈されている
となります。ですから、福島地方においての空気中の放射性物質の濃度を基準にした場合に、そこから濃度はどのように薄まり分布していくのか、という事を気 候条件を基に予測したもので、放射線量の絶対的な測定数値はこのシミュレーションには直接反映されていません。その為に敢えて「相対的」と前置きしている 訳です。よってこの図から危険度の評価はできません。
ドイツ気象局(正式名称:Deutsche Wetterdienst、通称:DWD)はドイツ連邦交通・建設・都市開発省下に属する公益機関で気象・天候・気候の調査報告を主な業務としています。気象局は基本的に放射線量の測定値の発表は行っておらず、その危険度の評価はドイツ連邦放射線防護庁(BfS)の法的な管轄となります。
DWDのウェブサイトでは粒子分布状況の予想図が随時更新されており、こちらでも定期的にその翻訳を紹介しています。
図中で示されているUTC(協定世界時)に9時間を足したものが日本標準時となります。
Mo:月曜日/Di:火曜日/Mi:水曜日/Do:木曜日/Fr:金曜日/Sa:土曜日/So:日曜日
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現在(4/5)の予報です。随時更新中。
4/5:寒冷前線が去った後、韓国と日本海上にある高圧部が本州まで勢力を伸ばしてきます。高圧部周辺の風は北もしくは北東からとな り、福島地方からの放射性粒子は南へと運ばれて行くでしょう。粒子はその濃度を薄めながら太平洋上へと拡散して行きますが、一部は本土上空にも届く見込み です。
4/6:水曜日、日本の大部分は高圧部の影響下にあります。北海道を除く地域では風は穏やかになり風向きは定まりません。風向きは各 地の状況によっても左右されるでしょう。しかしながら、最新のシミュレーションでは大部分の有害物質は先ず太平洋沖南または南東へと運ばれて行き、その後 南西の方角へと拡散する見込みです。日本近郊の海域部と本州南部の一部はその影響を受けるでしょう。
4/7:木曜日、日本上空にあった高圧部は東へと移動し本州から離れます。それにより本州中央部並びに北部では、西または南西の風向きになるでしょう。放出された粒子は東または北東の方向、太平洋上へと拡散し濃度を希釈しながらそこから更に南へと進んで行く見込みです。
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ドイツ気象局が出した情報を下にBMU(連邦環境・自然保護・原子炉安全省)やBfS(連邦放射線防護庁)の専門家グループが実際の測定値を参照の末、危険度の評価を下すという事だそうです。その為この図はあくまでも気候条件のみによる予想であり、空気中の有害物質の実際の密度は反映されておらず、放射能濃度測定値による危険度評価とも関係ありません。同一視しないように。との旨がDWDのサイト上にも幾度も注意書きしてあります。
ドイツ政府の対応についてですが、在日ドイツ大使館のサイトでこれまでにドイツ大使館が発表した在日ドイツ人に向けての声明を全て読むことができ、これには原子炉安全省を初めとする専門家グループ、並びにその報告を受けた独外務省危機管理対策本部の具体的な判断が反映されている言えるでしょう。
それによると14日に一人の専門家が原子力保安省から到着しており、福島第一原発についての応急的な判断が下されるだろうと述べられています。ここ ではその詳細な調査結果には触れられてはいませんが、その三日後の17日には在東京ドイツ大使館の大阪への移転と、全ての在日ドイツ人に対して、原発での 事故の収拾が着くまでは東日本(静岡以東)からの退避勧告を発表しています。現時点で最新の4月1日付の声明でも、首都圏での数日間の滞在は問題は無いだ ろうとしながらも、長期滞在は避けるようにというその基本姿勢に変化はありません。
更に、在首都圏の独国籍保持者及びその家族は現時点で一人につき二錠の安定ヨウ素剤を必要に応じて大使館の専任医師から受け取る事ができるそうです。ただしその服用については日本政府の指示を待つ事と赤字で強く注意しています。
尚、気象予報の翻訳は不慣れなため日本語での気象用語等に間違いがある場合もあるかも知れません。その際にはご指摘頂ければ幸いです。
この翻訳の本意は、日本政府が発表しない貴重な情報源の一つを、出来る限り多くの市民の皆さんに誤解の無いよう正確そして冷静に受け止って頂くという事にあります。文章の転載は自由ですが、その際は必ず上記太字の注意事項を併記の上でお願い致します。

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