2011年6月26日日曜日

福井県、ヨウ素剤備蓄不足

最近、もんじゅの作業が終わったばかりの福井県について気になる話題があったので紹介します。
どうもヨウ素剤の備蓄が全然足りないようなのです。 ヨウ素剤、輸入はできないのでしょうか? 
ヨウ素は海草を食べる習慣のない欧米ではよくサプリメントとして飲まれているのですが。

読売オンラインより

被曝対策「ヨウ素剤」独自備蓄2町のみ…福井

原子力災害時の甲状腺の被曝(ひばく)対策として、ヨウ素剤を独自に備蓄しているのが、福井県内17市町のうち越前町と南越前町だけであることが、各市町への取材でわかった。
県は約2万2000人分を保有しているが、配置先は二州(敦賀市)、若狭(小浜市)の両健康福祉センターのみ。福島第一原発のような大事故が起きれば、必要量が十分に行き渡らない可能性もあり、県は備蓄態勢の見直しを検討する方針だ。
原発事故で出る放射性ヨウ素は、のどにある甲状腺に蓄積され、がんを引き起こす危険性がある。ヨウ素剤を服用すれば、被曝の恐れがない通常のヨウ素で甲状腺が「満タン」になり、放射性ヨウ素をブロックできる。40歳未満の人は効果が期待できるという。
県内には全国最多の14基の原発があり、県は国の防災指針に基づき、10キロ圏内に住む40歳未満の人数分のヨウ素剤(3日分)を用意している。若狭健康福祉センターに約1万3700人分、二州健康福祉センターに約8500人分を備蓄している。
だが、福島第一原発の事故では半径20キロ圏内が立ち入り禁止の「警戒区域」となった。県内で同様の事故があれば、放射能汚染は原発が集中する嶺南地方だ けでなく、嶺北地方に広がる可能性がある。中でも敦賀原発(敦賀市)のある敦賀半島の対岸では、以前から原発事故への危機感が強く、南越前町は5万錠、越 前町も2万錠を備蓄している。南越前町はさらに5万錠を購入する方針で、備蓄量は計10万錠になる。
一方、かつて独自に備蓄していた越前 市と鯖江市は、ヨウ素剤の使用期限切れを機に、2005年から06年にかけて備蓄の中止を決定。すでに全量を廃棄している。越前市によると、1995年に 高速増殖炉「もんじゅ」(敦賀市)で起きたナトリウム漏れ事故がきっかけで備蓄を始めたが、管理が面倒なことなどから取りやめの話が持ち上がった。
県は原子力災害が発生した際、関係市町や警察、消防の協力を得てヨウ素剤を配布する予定だが、計画通りにうまくいく保証はない。福島第一のように大地震と 原発事故が重なれば、交通網が寸断されて運搬手段が途絶える心配がある。仮に高浜町で原発事故が起きれば、小浜市の若狭健康福祉センターから、原発4基が 立地するおおい町を通り抜けなければ、現地にたどり着けない。
ヨウ素剤を扱っている福井市内の薬局は「福島第一原発事故の発生後しばらく は、相次ぐ問い合わせで業務に支障が出るほどだった」としており、住民の関心は高い。県地域医療課は「今後は備蓄場所の分散なども、検討せざるを得ないだ ろう」としている。ただ「錠剤タイプのヨウ素剤のメーカーは国内で1社だけ」(厚生労働省)。全国の原発立地で需要増が予想されるため、備蓄量を増やそう としても供給が追いつかず、長期間かかる可能性がある。
(2011年6月26日 読売新聞)

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