しかし、普通の原発より格段にデリケートで扱いが難しく、何かあると制御不能なもんじゅは絶対に運転してはならないと思います。そして、国が核燃料サイクルの要である、もんじゅを諦めないということは、結局、原発や再処理施設をやめないということです。(当ブログ記事、もんじゅ装置23日にも引き抜きと合わせてお読みください)
読売オンラインより(青字化筆者)
日本原子力研究開発機構は24日、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で昨年8月に原子炉容器内に落下した核燃料交換用の炉内中継装置(長さ12メートル、重さ3・3トン)を引き抜く作業を終えた、と発表した。
回収した装置を詳細に点検し、落下の衝撃で炉内を傷つけていないか確認する。発表によると、クレーンで装置を引き抜く作業を始めて約8時間後の24日午前4時55分に回収を終えた。機構は引き抜き作業のために取り外した炉上部の機器を元に戻し、今秋頃に復旧させる。
このトラブルで機構は、「2012年度内」としていた本格運転開始時期を「13年度内」に変更。今年度内に、発電を伴う出力40%での試験運転を 行う予定だ。ただ福島第一原発事故を受け、安全性に対する福井県や敦賀市の見方は厳しくなっており、計画がずれ込む可能性もある。(2011年6月24日07時48分 読売新聞)
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福井新聞の方が読売新聞よりずっと緊張感のある報道をしているので紹介します。作業が決して順調でなかったことがわかります。(青字化筆者)
-----------------------------------------------------------------------------------もんじゅ落下装置回収終える 準備難航、作業大幅遅れ
(2011年6月24日午前7時50分)
日本原子力研究開発機構は24日午前4時55分、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で原子炉容器内に落下した炉内中継装置の回収作業を完了したと発表した。器具に不具合が見つかるなど準備に手間取り、引き抜き開始は大幅にずれ込んだ。
「次はない」漂う緊張感
23日午後に始まるとみられた高速増殖炉「もんじゅ」の原子炉容器内に落下した炉内中継装置の回収作業。「失敗は許されない」との思いが日本原子力研究開発機構には強く準備作業を慎重に進めたが、新たに製造した器具の調整に手間取り、作業は大幅にずれ込んだ。
原子力機構が23日に回収作業を行うと最終決定したのは同日午前2時半。午後3時前後からの引き抜き開始を念頭に、午前7時45分から最終作業に取りかかった。
器具の取り扱いは、工場で繰り返して習熟したはずだった。しかし、現場は想定していたより狭く、作業は困難を強いられたという。
公開された作業を取材するためにもんじゅ構内に入った報道陣は約2時間半足止め。近くの展示施設では、遅れている原因をめぐって説明が行われ、原子力機構は「手順書に入っている想定内のこと」と強調した。
引き抜きを無事終えた上で原子力機構は本年度内の40%出力確認試験の開始を目指してきたが、東京電力福島第1原発事故を受けた安全対策をめぐり、スケ ジュールの遅れは必至の状況。原子炉容器内に重さ3・3トンの大型構造物を落下し、経験したことがない大掛かりな回収作業に加え、「次はない」という緊張 感が現場に重くのしかかった。
もんじゅ廃炉運動をしている市民団体にはストップ・ザ・もんじゅという団体があります。詳細はこちら。
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