2011年10月5日水曜日

除染の問題

国や自治体が除染活動を本格化させるようですが、
除染したら、放射線が減って、安心して暮らせるようになるのでしょうか?

何人かの専門家の意見を見ると、かなり難しい、場所によっては無理であることがわかります。

福島市の渡利地区で除染活動をしている神戸大学の山内知也教授によると、

渡利地区では除染しても3割しか放射線が低くならなかったということです。また、コンクリやアスファルトや屋根瓦にセシウムが吸着していて、洗っても落ちない。線量を低くするにはコンクリ、アスファルトをはいで、屋根を張り替えるしかないということです。

これは決して容易なことではありません。町を作り変えるくらいの考えで行わなければならないようです。

詳しくは9月29日のMBSラジオたね蒔きジャーナルを聞いてください。






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また、田中龍作ジャーナル【福島・飯舘村】 「先ず帰還ありき」 農業の現実に目を背ける政府2011年10月5日 00:26 によると、

原発事故後、間もなく飯舘村に入り汚染状況を調べた京都大学の今中哲二助教は除染についてこのように述べています。

除染でゼロになることはない。半分になればいい方。まして畑は無理。チェルノブイリも除染はあきらめた」。

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福島市で除染活動をしている京都精華大学の細川教授は
「除染活動を通じて見えてきたこと」というブログ記事にて、次のような重要な指摘をしています。
(青字化筆者)

福島県やいくつかの市町村では、圧力水洗浄、つまり放射性物質を含む汚れを高圧ポンプで洗い流す方法を提唱している。この方法だと、除染現場から汚染を移動させることはできても回収することができない。汚染水の行き先を考えずに「洗え、洗え」では、放射能を拡散させ二次的な汚染(たとえば下流でのホットスポット形成や農業用水への混入)を招く。現時点でも下水処理場の労働者の放射線被曝は深刻な問題であるが、それがさらに悪化する恐れも高い。

  洗い流すことによる一時的効果は、住民にひとときの「安心」を与えるかも知れないが、落ち着いて考えれば、人々がたがいに汚染を押しつけ合う結果となる。 自らを守るために放射能を洗い流そうとする人も、下流でそれを押しつけられる人も、ともに原発事故の被害者なのである。被害者どうしを分断し、被害を押しつけ合うような「除染」であってはならない。行政主導の除染事業では東京電力の責任と義務が不問に付されているが、加害者企業の「汚染物引き取り責任」と賠償責任を見過ごすわけにはいかない。

上に紹介した、山内教授も福島では、除染により、数軒先の家に汚染が押し流されてしまった件を放送で述べています。悪気はなくても、そういう問題も潜んでいることを認識しておく必要があるようです。

2011年10月4日火曜日

「早い者勝ちだったの?」福島第1原発:自主避難者賠償

せめて線量の高い地域の人には自主避難を賠償対象にしてほしいです。避難がいつであっても。

毎日新聞より(青字化筆者)


福島第1原発:自主避難者賠償 「早い者勝ちだったの?」

2011年10月4日 0時39分 更新:10月4日 10時53分

東京電力福島第1原発事故のため自主避難した人たちの間で、賠償への「線引き」に困惑が広がっている。文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が先月、事故後1カ月程度の間に避難したケースには賠償を認める方針を固め、その後避難した人は「検討課題」と先送りにしたためだ。「避難は早い者勝ちだったの?」「汚染の実態が分かったのは最近なのに」。3日東京都内で開かれた集会には避難者ら約120人が集まり、線引きをなくすよう訴えた。

 ◇対象は事故後1カ月程度 「国信じ残ったのに…」

「事故直後から不安で仕方がなかった。でも国や東電が『大丈夫』と言い続けてきたのを信じて残ったのに……」。福島市の主婦、菅野千景さん(46)は悔やむ。中1(13)と小2(7)の娘2人を連れて京都市の公務員住宅に自主避難したのは、8月末になってからだ。
 自宅は原発から約60キロ。すぐに避難することも考えたが、マイホームのローンを抱え、夫と離れ離れの生活になることはためらわれた。中学入学を控える長女の心情も考えた。生まれ育った故郷・福島への愛着もあった。
 住んでいる地区の放射線量が比較的高いと知ったのは6月になってから。講演会や市民団体の集会に参加した。線量の数値や評価がこれまで聞いていた話とは違っていた。
 自宅の線量を測ると、2階の子供部屋が毎時0・95マイクロシーベルト。平常時の屋外の20倍で、水ぶきしても数値は下がらない。娘たちには長袖にマスク姿で通学させる日々。「この状態が続くなら」と2学期の始まりに合わせた避難を決めた。
 審査会は先月21日、自主避難者への賠償に関し、避難時期を「事故当初」と「一定期間後」の二つに区切って議論することを決めた。「事故当初」は 「恐怖心から避難するのは合理的」として賠償対象とすることで一致。区切りについては、政府が計画的避難区域などの指定を発表した4月11日か、指定日の 同22日が検討されている。
 菅野さんはやるせない。「冷静に行動しようと思い、事故直後は踏みとどまってしまった。影響が出るかもしれない子供たちに申し訳ない上に、補償も出ないなんて」。引っ越し代や二重生活の費用がかさむ。

 ◇迷ううちに時間が

東京・永田町の参院議員会館で3日開かれた集会では、福島県郡山市から静岡県に自主避難した長谷川克己さん(44)が発言に立った。長谷川さんも8月中旬に避難した。
 妻(35)の妊娠が2月に分かり、その直後の原発事故だった。5歳の長男もおり、福島で育てることに不安を感じた。一方で、福祉施設運営会社取締 役として働き、長男が通う幼稚園のPTA会長も務めていた。「自分たちだけ逃げることが許されるのか」と迷ううちに時間がたった。避難を決意したのは、局 地的に線量が高いホットスポットを取り上げたテレビ番組で紹介された数値が、長男の寝室と変わらないと知ってからだ。
 避難先では新たな仕事を見つけたが、1カ月で失業した。「賠償されれば生活は助かる。しかし何より、自主避難が、愛する家族を守る正当な手段であったと認めてほしい」【安高晋、袴田貴行】

2011年10月3日月曜日

原発を倫理の問題として考える必要性

東京新聞、社説より(青字化筆者)


【社説】

週のはじめに考える 原発と社会の倫理

倫理とは、字引では人倫の道また道徳の規範と記されていますが、社会へと広げれば別の意味合いも浮かんできます。原子力の是非論で考えてみます。 
ご承知のように、ドイツは五月末、遅くとも二〇二二年までに国内十七基すべての原子炉を閉鎖すると発表しました。福島の原発事故後、主要国(G8)では初の脱原発決定であり、少なからぬ衝撃を世界に与えました。
この決定へ踏み切らせたのが、メルケル首相が招集した「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」でした。彼女はライプチヒ大に学んだ物理学者であり、福島の事故前までは原発擁護派だった。

◆ドイツの決断の仕方

ドイツでは、日本の原子力安全委に似た専門家委員会が、ドイツの原発は飛行機の墜落を除き安全であり、洪水や停電にも十分耐えると答えていた。し かし、実際に日本で事故は起きたのであり、原発とは人の暮らしや社会の未来には果たして有益なのか、それとも不利益なのか。その検討が倫理委員会には求め られたのです。
委員会は十七人。委員長は二人で元環境大臣と工学系教授。偏りをなくしたのでしょう。
残る十五人は、キリスト教高位聖職者(複数)、科学アカデミー会長、リスク社会学(日本でいう失敗学)の専門家、化学工場社長、地学者、哲学者、経済学者、政治学者、それにエネルギー関連の労働団体代表ら。
まさに各界の代表で、広い意味での倫理、つまり社会の倫理とでもいうべき事柄を話し合おうという意気込みがうかがえます。
日本でも、例えば脳死基準の決定では医学だけでなく、人の生死にかかわる倫理的問題として議論をした。しかし多数の死と病苦を招いた公害、また原子力、原発を倫理的課題として国が公的に取り上げたことがあっただろうか。医学、技術、経済の問題に専門化させていたのではなかったか。

◆持続可能という要請

日本が遅れている、とは言いません。国ごとに歴史や文化は異なり、その延長上に今があります。
ドイツや北欧では大切な森が枯れるという事件が起きました。風上の英国やフランスの産業都市が排出した大気汚染物質が酸性雨となり、森に降ったのです。ドイツでは国内汚染もありました。
日本人にとって山や海や川や田が故郷であるように、彼らの心の故郷は深々とした黒い森であるといわれます。一九八〇年代初頭、ドイツの信頼ある週 刊誌シュピーゲルが、古い森林の枯れ始めたこと、川魚が消えつつあることを報じて人々は心底不安になる。今、起きている悪い事態はこの先もっと悪くなるの ではないかと。
近年当たり前のように聞く持続可能な発展という言葉はこのころ出てきたものです。定着させたのは、元ノルウェー首相で女性小児科医のブルントラント氏が率いた国連環境特別委員会でした。
こういう未来の幸福まで計量した考え方は、十九世紀功利主義の大成者J・S・ミルに始まったともいわれます。彼は哲学者とも経済学者とも政治思想家とも呼ばれた。要するに人間の永続する幸福を現実的に考えた人です。
私たちは、持続可能という言葉を最近日本で聞きました。福島県が八月に発表した復興ビジョンです。基本理念はこううたいます。
「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」。そこには再生可能エネルギーを増やす多極分散型モデルへの提言や、人の命を大切にし安全・安心な社会をつくるという決意が述べられています。
この理念に至った経緯は日本人ならだれもが知り、それが血を吐くような心情から出たことをよく理解します。それを読むなら、私たちにそう宣言できるかどうか、深く問いかけてもきます。そこからは私たちの選択です。
ドイツの倫理委員会は、安全なエネルギー供給のため、原子力エネルギーの供給を段階的にやめようと呼びかけました。成功の保証はなくとも、それが 社会の負うべき責務であり、ドイツの先進科学技術を総動員する。そのための計画や投資、実行には十年という時間が必要だとした。核廃棄物の最終処分がいま だに決まっていないことももちろん問題視された。どう行うかを決める前に、まず行うと決めたのです。

◆考えたい福島の一歩

そういう先見的な決め方をここでは社会の倫理と名付けてみました。社会が自らの未来を自ら守ろうとするのは、倫理的判断と言ってもいいだろうし、それをより具体的に言うのなら持続可能な発展と言ってもいいにちがいない。
福島県はそういう一歩を踏み出した。まず行うと決めたのです。そういう未来の決め方を、私たちは今こそ考えてみたいのです。

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 少し前にドイツの脱原発決定に関して日経ビジネスで熊谷 徹さんという在独のジャーナリストが記事を書いていました。ドイツの「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」について詳しく書いてあります。全文読むには日経ビジネスに会員(無料)登録する必要がありますが、よい記事なのでぜひ読んでください。



2011年10月2日日曜日

福島第一原発、注水が長時間止まったらまた危険な状態に

最近、福島第一原発の1~3号機が冷温停止(100度以下)したと言われていますが、それでも注水が止まると、38時間後には多量の放射性物質が放出されてしまう危険性があるようです。もうこれ以上、福島浜通りに大きな地震が来ませんように。

万が一、注水が止まったというニュースがあったら、要注意です。

朝日新聞より(青字化筆者)


原子炉注水が38時間止まったら…東電が描く最悪想定


東京電力は1日、復旧作業中の福島第一原発1~3号機で、仮にすべての対策ができずに原子炉への注水が中断したまま38時間過ぎると、核燃料が再び溶け出し、多量の放射性物質が放出されるという最悪のシナリオを明らかにした。
注水が止まる原因として考えられるのは、炉内に注水しているポンプの故障、ポンプへの電源の喪失、タンクなど水源の喪失、注水ラインの損傷などだ。東電は原因が一つなら30分以内に復旧できるとみており、「複数のトラブルが起きても3時間程度で注水が復旧できる見込みだ」としている。
1~3号機の炉内の水温は、いずれも冷温停止の条件になる100度未満まで下がっているが、注水が止まれば、1時間で48~51度上がるという。仮に注水が復旧しないと、18~19時間で爆発の引き金になる水素が発生する1200度に到達する。さらに38~50時間後に燃料の再溶融が始まり、圧力容器の 底にたまった燃料がさらに外側の格納容器に漏れ出すという。
ただ、ポンプには予備もあり、注水する経路はいくつもあるので注水が長時間中断することは考えにくいという。東電は「今後、注水システムの信頼性の向上に努めたい」と話している。(杉本崇)


アメリカの原発運転状況、脱原発運動

地震やハリケーン後のアメリカの原発の状況、脱原発運動の状況が紹介されていました。

NHKオンラインより

米 各地で脱原発求める集会

10月2日 6時54分   
東京電力福島第一原子力発電所の事故をきっかけに、アメリカでも市民の間で原発の安全性を疑問視する声が高まるなか、1日、脱原発を求める市民の集会が全米各地で開かれました。
脱原発を求める集会はアメリカの15か所で開かれ、このうちニューヨークでは、ハドソン川に面した 公園でおよそ300人が参加しました。104基の原子炉を抱えるアメリカでは、福島第一原発の事故はニュースで大きく取り上げられたほか、最近ではアメリ カの原発でも竜巻や地震などによって緊急停止するなどの事態が起き、市民の間で原発の安全性を疑問視する声が高まっています。集会では市民団体の代表が演 説し、地元ニューヨーク州で40年近くにわたって稼働している原発の閉鎖を求めました。また、ニューヨークに住む日本人女性が福島県の現状について「母親 たちが子どもにマスクをつけさせるべきか、外で遊ばせないべきかと自問自答しなければいけない毎日です」と訴えました。参加した人たちは「福島での事故は 原発に対する私の意識も変えた。日本で起きるのであれば、どこでも起きうることだと思うようになった」とか「この問題は日本だけの問題ではなく、国際社会 の悲劇だと思う」などと話し、原発から環境にやさしいエネルギーへの転換を求めていました。

アメリカ原子力規制委員会によりますと、アメ リカ国内の発電用原子炉は104基と世界で最も多く、総電力量の20%が原子力発電で賄われています。アメリカの原子力発電は1957年、東部のペンシル ベニア州で始まり、電力需要の拡大と共に1960年代に急速に発展しましたが、1979年のスリーマイル島原子力発電所の事故で新規の原発建設は途絶えて いました。しかし、2001年、当時のブッシュ大統領が、エネルギー不足に対応するためだとしてエネルギー政策に原発の利用促進を盛り込み、推進に大きく かじを切りました。また、オバマ大統領も石油エネルギーへの依存からの脱却の一環として、原発推進の路線を続けています。原子力規制委員会のホームページ によりますと、先月30日現在、104基のうち南部・バージニア州にあるノースアナ原発をはじめ10基が地震の影響などで運転を停止しています。

甘いのでは?欧州原発 ストレステスト第一段階「合格」

毎日新聞より(青字化筆者)


ストレステスト:欧州全原子炉「合格」 第1段階、事業者自己採点甘く

【ブリュッセル共同】東京電力福島第1原発事故を受け、欧州連合(EU)が6月に開始した域内の全原子炉に対するストレステスト(安全評価)のう ち、各国の原発事業者が「自己採点」する第1段階が終了、どの原発も設計時の想定を上回る大地震、洪水などが起きても耐えられるとの判断を事業者側が示し たことが1日、分かった。原発閉鎖などの措置が必要となる深刻な欠陥の指摘はなく「自己採点は甘くなる」との懸念を裏付けた形だ。
次の段階では各国の原子力監督当局によるチェック、さらにEU27カ国の監督当局による相互チェックが控える。ストレステストを統括する欧州委員会は、来年6月には「信頼できる最終報告書を出す」と話している。
電力の7割以上を原発に頼るフランスの事業者の回答をまとめた報告は「福島のような事態に陥るリスクは無視してよい」と結論付けた。英国の事業者 も原子炉の構造に「根本的な弱点はない」と断言。どの事業者も想定を上回る災害や事故に備え、既に原発の構造上の耐性強化に着手したという。
EU域内で稼働する計143基の原子炉を有する14カ国の原発事業者は、ストレステストの第1段階として、欧州委と各国監督当局が策定した大地 震、津波や洪水、飛行機の衝突、原発付近での大規模な爆発事故が起きた場合の影響などに関する質問事項をコンピューターによる数値計算で解析した。
毎日新聞 2011年10月2日 東京朝刊

東京、大阪市で原発住民投票を求める動き

朝日新聞より



「原発賛否、住民投票で」 条例制定へ直接請求の動き

 東京電力福島第一原発の事故を受け、東電と関西電力の大株主である東京都と大阪市で、原発への賛否を問う住民投票条例制定の直接請求を目指す動きが始まった。大株主の自治体を通じて、市民の視点に立つ原発政策を電力会社に迫る異例の試みだ。
 
市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」が12月から直接請求に必要な署名集めを始め、年末にも提出することを目指す。東京都への直接請求の代表者には、俳優の山本太郎さんやカタログハウス相談役の斎藤駿さんらが名を連ねる予定。

直接請求には、東京都で約21万4200人、大阪市で約4万2600人以上の署名が必要。都道府県の東京都では2カ月以内、市町村の大阪市では1カ月以 内に署名を集めなければならない。市民グループは生活協同組合の組合員らに協力を求める方針で、署名数を確保できるとみている。署名を集める人を募集する はがきを街頭で配る。